Hus 日記 「軸」
2014年02月11日
2月11日(火)
今回の指導者コースは画家Moon氏が描いた鐘の周りを囲んでの瞑想からスタートしました。
この鐘、実は錆びたプロパンガスから出来ていて、これを手作業で何度も何度も磨いたのがHuslabの商品を手掛ける、音楽作家「かむおん」氏。魂のすべてをかけ、錆びた状態から光を見出し、その微かな光に希望を託し更に磨き続ける。数日間をかけ磨き上げた、その鐘の音は・・・「音」というよりは、魂からの「声」のような音色。その鐘に、苦心の末、筆を走らせたのがMoon氏。そのお二人の苦労をどう表現すればいいか、正しくこの絵のごとく、泥沼の状態から光を放つような美しさの蓮が生まれるような感じ・・・
よく、この泥沼の状態を人間の「エゴ」「欲」の世界に例えます。そして、それにそまらず、そこから抜き出た本来の姿、この蓮を「真我」として表現されることがあります。私たちは「エゴ」を失くそうとし、それをもつ自分を責めたり・・・しかし、「蓮」が咲くにはそれが必要。排除せず、認めること、ありのままを受け止めること。
そのお二人の心を受けながら、私たちは、静かに目を閉じ、そこにあるもの、ありのままを見つめることから、この学びをスタートしました。
この学びを伝えるにあたっては、自分の育ち、幼少時からの思いがあります。ここでは述べませんが、なぜ自分の目で見聞きしたことしか信じられないようになったか、それこそ「エゴ」の世界の一つかもしれません。厳しい環境の中にあって、誰に相談するでもなく、悩み苦悩をひた隠し、貧困から進学の途も歩めず、仕事をしながらの大学進学でした。そしてのち教員の世界へ。出遅れたスタートでした。最終的にはその教員もやめてこの世界に飛び込んだのは、やはりそこにもっと自分の奥深いところにあった、その微かな本当の思いの光を見出したからです。
・・・先生たちの苦悩を軽減したい、人を元気にしたい、それは自分に向けた言葉でもありました。また、悩みを抱えた多くの方との出逢いがさらにその思いを強くし、「ヨーガ」というものに出会ってからはインドの地への行き来が始まりました。
ヨーガの種類も方法も様々です。現代に合わせたものが登場しているのも頷けます。インドのヨーガといいましても、そのすべてを日本に持ち帰ることは不可能といってもいいです。ただ、その恩恵は伝えたい。グルが言います。
「どの時代であっても、伝統のものは守らなければならない・・・」
と。それを揺るがずに徹底して伝え続けているのがKaivalyadhamaです。グル、そしてこの大学での学びが自分の「軸」を作りました。「軸」は教授や大学の教科書から得たのであはありません。指導していただいた教授陣には感謝していますが、その軸は自らの「体験」が作ってくれました。在学中、あらゆる症状がでました。ストレスです。ヨーガの学びをしながらストレスはありえません。ありえないけど、自分の弱さがそうしたので認めざるを得ません。ヨーガが「苦悩の除去」法として何千年も前から伝えられてきました。そうなんですけど、それを知識として学び、また250年前の教本写本も見ましたがその完全解決に至らずでした。見るだけではだめなんですね。
あとは伝統技法からそれず、ひたすら信じて「やること」に徹しました。自らの修練で在学も後半、アドバンスの技法を日々つづけてきた結果、すべての症状を解消しました。もう疑う余地もありません。食事も徹底しました。6時半のアサナクラス前、5時からクリア実習を毎日行いました。唱題行も・・・スートラはボロボロになるまで読み込みました。インドの聖者の本も読み、スワミジのお話も聞きました。しかし、信じるはどんなスワミの言葉より自らの実践。お話も好きですけど~・~:
ほとんど自己満足の世界ですね。でも自己修練は正しくその何物でもありません。ヨーガは実習の体系。指導ではない。そう思って帰国後、スタジオをたたむことも考えました。でも生徒さんの顔が浮かんで、それはできませんでした。
現在、スタジオの他、デイケア、一般市民の方へ、そして障害者施設、各企業で、または小・中・高等学校で・・・自分の体験を持って指導させていただいてます。ただ、ニーズはあっても一人の身では到底教えを伝え広めるには至りません。なので、おこがましくもこのようなクラスを開設したのが、ここに至るまでの歩みです。早くにヨーガと出会っていれば、とも思いましたが、教員期間があったから今の指導に生かせることができているので、苦しい経験は「甘い実」を結ぶことも「今」わかるのです。あんなに嫌っていた退職前の校長先生ありがとう(笑)
この蓮のごとく、ただそこにいて人を癒せるよう・・・
そして泥沼ともちゃんと向き合って、ありのままを受け入れられるよう・・・
ちょっと今日はもう寝ます・・・
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Posted by ma dhyana madera at 21:58│Comments(2)
この記事へのコメント
Posted by yuki.I at 2014年03月17日 23:38
ぜひ、この音を感じてほしい。
いつでも、またおいで。
いつでも、またおいで。
Posted by ma dhyan madera at 2014年03月29日 20:56
お二人の心現れる芸術です。
その鐘が醸し出す音色はきっと、来られる、皆さんの魂まで響くのでしょうね…
わたしも是非、見て、聞いてみたいです。